伝統文字をデジタル化

高校野球の聖地、また阪神タイガースの本拠地である「甲子園球場」
今年、甲子園球場は100周年という記念の年です。

その甲子園球場のスコアボードに表示されている文字は「甲子園文字」という伝統的な文字ということをみなさんは知っていますか?

明朝体に近いですが縦線がやや太く、他にはない独特な文字です。

手書きスコアボード
1983年まではスコアボードは全て手書きで、白ペンキと筆で職人さんが選手名を書いていました。 プロ野球であれば選手名はそれなりに絞られてきますが、高校野球ともなると夏だけでも約50校の高校名と選手名を用意しなければならず、さぞかし大変だったことでしょう。

電光掲示板
1984年からは電光掲示板になりましたが、「風情を残して欲しい」というファンもいたそうで、電光化の後も手書きの字体を踏襲して甲子園文字は継承されています。 選手名・学校名など新たな文字が必要になった際は、球場職員さんが全て一文字ずつ文字データを手作りして作成しているそうで、こちらも大変な作業です。

フォント化
今年、甲子園文字が「甲子園フォント」としてデジタルフォント化すると発表されました。 文字フォントで有名な会社「モリサワ」も、「邦文写真植字機」という印刷技術を開発して100年という年で、両者による記念共同プロジェクトだそうです。
今までも電光掲示場であったため、ある意味デジタルデータではありました。
しかし、フォントという一般的なデジタルデータとなる、全ての文字が用意される、専用ソフトなども不要になるなど、扱いがかなり簡単になります。
またフォントに長けた会社だけあり、読みやすさに配慮したユニバーサルデザインをベースにするとのこと。 来年2025年にスコアボードにお目見えするそうです。

伝統・風情がデジタルで次世代に残る
形は変わりながらも文化が継承される取り組みがこれからも続いてほしいですね。

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